マイカー通勤を許可していても、改造車での通勤は認めないという企業は多いです。
時間とお金をかけて育て上げた、愛車で通勤をしたい社員。
改造車での通勤を、認めたくない企業。
2つの考えには大きな溝があり、時にはトラブルになってしまう事も・・・
そもそも、一体なぜ改造車での通勤は、禁止されているのでしょうか?
この「なぜ?」を双方で正しく理解することが、問題のスムーズな解決に繋がります。
今回は、
- 改造車で通勤するのを、なぜ禁止するべきなのか
- 禁止するためには、どう対策をすれば良いのか
というポイントを、お話しします。
改造車で通勤したい人、改造車を禁止したい企業は、ぜひ読んでください。
違法改造は、ダメ!絶対!!
まず、前提として・・・
今回の記事の「改造車」とは「違法改造車」の事ではありません。
法に触れない範囲で、車の装飾など改造を楽しんでいるケースについてです。
もちろん、違法改造車で通勤するなんて、もってのほか!
ごく稀に、違法改造車でも通勤を許容している会社がありますが・・・
「私たちは、社員の違法行為を許す会社です!!」と、世間にアピールしているようなものです。
一企業としてその対応で良いのか、しっかり考えて欲しいものですね。
改造車で通勤するのは、なぜダメなの?
では、社員が改造車で通勤する事で何が起こるのでしょう?
改造車通勤により、会社が受けるリスクについて、詳しく説明していきます。
社員の姿は、会社の印象を大きく左右する
改造車通勤を禁止すべき大きな理由は、やはり会社のイメージの為。
「車検には通ってるんだから、通勤もできるだろ!」というのは、よく聞く言い分ですが・・・
残念ながら世の中には、車の改造にあまり興味がない人の割合が多いです。
素人目では、何が違法・合法かという区別はつきません。
いくら合法の中で改造をしていても、素人は「改造されている」「改造されていない」という判断しかできません。
装飾された車はどうしても目立つので、「あんな車で通勤するなんて・・・」と悪い印象を持ってしまいます。
そして、それがそのまま、会社の印象になってしまうのです。
アニメのキャラクターなどをデコる「痛車」なども最近目立ちますが、驚く人はやはり驚いてしまいます。
偏見だ!と思うかもしれません。
しかし、深く付き合わない限り、印象はほぼ見た目で決まります。
いくら人柄が良くても、営業成績が1位でも、通勤姿しか見る事が出来ない人にはわかりません。
会社のイメージを良くするには、まずは見た目から整えるしかないのです。
企業には、社員の事故を未然に防ぐ義務がある
会社が改造車を禁止するのは、会社のイメージを守る為だけではありません。
社員が通勤・業務中に事故を起こした場合
- 賠償金などの金銭的な負担
- 企業のイメージダウン・信頼低下
- 怪我による労働力の低下
など、企業に大きな損害をもたらします。
あまりに大きな損害は、その会社に勤務する他の社員にまで、影響が及ぶかもしれません。
会社を守る為、そして会社で働く社員の暮らしの安全を守る為。
企業は社員の安全意識を管理し、事故を未然に防ぐという義務があるのです。
ただでさえ、社員の車通勤はリスクがあるものです。
改造車となると更に目が厳しくなるのは当然。
たとえ事故の原因が改造車と関係がなくても、「あの会社はいつも改造車が出入りしていたから・・・」という風評被害にも繋がりかねません。
実際に、車体を低くする「シャコタン」によって、駐車場を傷つけてしまったという事例も・・・
これが、取引先の駐車場だったらと思うと、恐ろしいですよね。
今まで何も言われなかったのに、急に禁止になった!
「いつも通り愛車で出勤したら、会社から忠告を受けた!」というケースがあります。
この場合に、考えられる要因は以下です。
- 会社の許容を超える、迷惑な騒音や改造があった
- 近隣や取引先からの苦情
- 就業規則の見直し・・・など
「今まで禁止されていなかったのに納得できない!」という気持ちも、よくわかります。
ただし、残念ながらそれは通用しません。
ですが、あまりにも急で対応が難しい場合などは、会社に事情を説明して相談しましょう。
改造車を元に戻すというのは、気持ち的にも金銭的にも、中々選びがたい選択肢です。
会社近くに自分で駐車場を借りたり、それも許されない場合は、転職の道を選ぶ人もいます。
放置してきた企業側にも多少の責任はありますので、ここは社員に寄り添って話し合いをしてほしいところです。
社員の改造車通勤を禁止したい場合は・・・
社員の改造車通勤を禁止するために、会社としてどう対策を取れば良いでしょう。
ちなみに、マイカー(私有車)通勤規程は定めていますよね?
社員の管理をしたいのなら、決まりを定めて公表するのは、会社の義務です。
何も定められていない状態で注意だけ受けては、社員も困惑します。
規程を定めた上で、更に出来ることはないのか、見ていきましょう。
マイカー通勤を許可制にする
会社のリスクを減らすには、原則としてマイカー通勤は禁止すべきです。
特別な理由がある場合のみ、条件によって許可すれば、管理もしやすくなりますよ。
ただし、会社の立地的に通勤手段が車しかないという事もあると思います。
それなのに車通勤を禁止してしまうと、かえって思わぬトラブルを引き起こす事も・・・
各々の会社にあった規定を、慎重に話し合って定めましょう。
駐車場許可証の発行
車通勤を許可した車両には、駐車場許可証を発行しましょう。
会社の駐車場に車を止める際は、ダッシュボード上に許可証を置く事を義務付けます。
許可証の裏側に「違反車両の乗り入れは禁止する」など注意事項を明記しておくと、その場での忠告がスムーズになりますよ。
違反者への注意は、書面で!
違反者への注意は、口頭だけではなく、注意・指導書などで形に残しましょう。
日付も入るので、「いつ・どのような内容で忠告をしたのか」より明確になります。
「言った・言わないトラブル」は、これで回避できますよ。
まとめ
愛情と時間をかけて作り上げた、大切な愛車。
ただ否定されてしまうと、悲しく腹が立ってしまいます・・・
しかし、会社側もただ否定したいわけではないのです。
悲しいですが、社会では「好きだからいいじゃないか!」は通用しないのです。
お互いに良い関係を続けられるように、理解しあっていきたい問題ですね。