「交通費の不正受給」と聞くと、なんだか大掛かりな犯罪に感じますよね。
しかし、交通費の不正受給は誰でもしてしまう可能性があるのです。
あなたにも、こんな事が思い当たりませんか?
- 交通費を浮かせたくて、一駅分歩いて節約
- 電車で行くのが面倒で、こっそり車通勤
- 電車通勤で申請しているけど、安いバスで通勤
- 引っ越したけど、会社への住所変更をしていない
これらは実は、会社によっては不正受給として懲戒処分の対象になるかもしれないのです。
「知らなかった」「そんなつもりじゃなかった」では通用しませんよ。
そこで今回は、
ポイント
- どのような場合が不正受給になるのか
- 交通費の不正受給がバレたらどうなるのか
についてまとめました。
交通費の「相当額支給」と「実費支給」
交通費(通勤手当)を多くもらったからといって、その全てが不正受給になるとは限りません。
例えば、会社規則で定められた交通費支給額が「相当額」か「実費」によっても変わります。
「交通費は相当額支給」と定められている場合、交通費は賃金の一部と考えられます。
よって、住所からの合理的なルートであれば差額分の返還の必要はありません。
一方で、「交通費は実費支給」となっている場合は、実際にかかった交通費分しか支給されない決まりです。
その為、虚偽の申請で浮いた分の交通費は返還をしなくてはなりません。
いずれにしても、故意に多額の申請をしたなど内容が悪質な場合は、重い懲戒処分を受けるでしょう。
リスクがあまりにも大きすぎるので、絶対にやめましょう!
ちなみに、出張などで発生した交通費は実費支給の会社がほとんどです。
水増し請求なんて、もっての外ですよ。
どういう場合が不正受給になるの?
通勤交通費の不正受給には色々なケースがありますが、特に多いのが以下の3つです。
不正受給に多い3つのケース
- 住所を偽って申請
- 会社に無許可で私有車通勤(バイク・自転車など含む)
- 実際に使用していない交通機関で経路申請
順に詳しく説明していきましょう。
1.実際の住所を偽って申請
住所を偽って申請し、実際よりも多く交通費をもらうと不正になります。
割と多いのが、会社近くに引越したのに住所変更の申請をしていないケース。
中には確信犯の人もいますが、うっかり忘れてしまう人も多いです。
まぁ確かに、申請って面倒で後回しにして忘れちゃったりしますよね。
でも、この「まぁいいか!」が怖いのです。
「ちょっと忘れていた」「後でやろうと思っていた」は、残念ながら通用しません。
2.会社に無許可で私有車通勤(バイク・自転車など含む)
会社が許可していないのに、勝手に私有車で通勤。
したい気持ちもわかりますが、これも交通費の不正受給になってしまいます。
会社の規則で私有車通勤が禁止されている場合、重い処分を受けるかもしれませんよ。
会社に内緒で車通勤するリスクについては、以下の記事に詳しくまとめています。
万が一事故でも起こしたら大変ですので、絶対におすすめしません!
3.実際に使用していない交通機関で経路申請
このケースは、不正をしている自覚がなく節約のためにしている人が多いです。
- 交通機関を一駅手前で降りて歩く
- 電車通勤で申請しているが、早起きして安いバスで通勤
- 交通機関を使わずに、徒歩で通う
一見すると健康的で、節約のために頑張ってるなと思いますよね。
しかし、会社規則が交通費実費支給ならば、残念ながら不正受給に該当してしまうのです。
寄り道や用事などがある場合は仕方ないですが、日常的に行うのはやめましょう。
交通費の不正受給がバレたらどうなる?
もし、交通費の不正受給がバレたら・・・
不正をしてしまった人は心配ですよね。
- 意図せず不正受給に該当してしまった
- 差額が少額である
という場合は、会社によっては温情で重い処分は免れるかもしれません。
しかし、故意な水増し請求など内容が悪質な場合は、厳しい罰則が与えられるでしょう。
一般的に、交通費の不正受給で考えられる罰則は以下の通りです。
交通費の不正受給による主な罰則
- 交通費の返還
- 戒告・けん責(口頭注意や始末書)
- 減給
- 停職
- 降格
- 解雇(クビ)
処分内容については、会社の規則によって異なります。
「交通費くらいでクビなんて・・・」と思うかもしれません。
しかし、交通費不正受給は会社の金を横領する立派な犯罪行為なのです。
交通費の不正受給はどうしてバレる?
交通費不正受給がバレる一番の原因は「内部告発(密告)」です。
実は、交通費以外にも不正は密告でバレる事が多いのです。
仲の良い同期にうっかり話してしまい、密告されてしまったというケースも・・・
表面的には仲が良くても、腹の中では何を考えているかわからないのが人間です。
自分の身が可愛いのなら、どんなに信頼している人でも余計な事は話さない方が身のためですよ。
その他にも・・・
- 会社からの書類送付の際に住所偽装がバレた
- 抜き打ちの定期券検査があった
- 車通勤を上司に見られた
- 申請した通勤経路外で事故にあった
など、誰にも言わなくてもボロが出てバレてしまうものです。
ちょっと魔が差したからといって、取り返しのつかない事にならないようにしましょうね。
まとめ
交通費の不正受給が恐ろしいのは、
- 不正をしている人に自覚ない事が多い
- 「たかが交通費」と軽く考えてしまう
という点です。
一度の額は少額でも、それが積もれば額は大きく膨れ上がります。
気づいた時には、「多額の横領」という大きな問題になっているという事も・・・
決して軽はずみに行わない様にしましょう!